DIYでできる家のメンテナンス5選|プロが教える「自分でやっていい範囲」
「家のちょっとした不具合、自分で直せないかな?」と思ったことはありませんか?
業者に頼むほどでもないけど、放っておくのも気になる……。そんな「ちょうどいいDIY」って、意外とたくさんあるんです。
ただし、なんでもかんでも自分でやればいいわけではありません。プロから見て「これは素人がやると危ない」というラインがはっきりあります。
この記事では、現役の設備工事業者である筆者が、「自分でやっていい家のメンテナンス5つ」と「絶対にプロに任せるべき作業」を正直にお伝えしていきます。
DIYでできる家のメンテナンス5選
まずは、特別な資格や技術がなくてもできるメンテナンスを5つ紹介しますね。どれもホームセンターで道具を揃えられて、初めてでも1時間以内に終わるものばかりです。
①コーキング(シーリング)の打ち直し
キッチンやお風呂の壁と天板の隙間にある、白やグレーのゴムみたいなもの。あれが「コーキング」です。
年数が経つと黒カビが生えたり、剥がれてきたりしますよね。見た目も悪いし、隙間から水が入ると内部の腐食にもつながります。
実はこれ、DIYで十分対応できるんです。
- 必要なもの:コーキングガン、シリコンシーラント、マスキングテープ、ヘラ
- 費用:1,000〜2,000円程度
- 所要時間:30分〜1時間
コツは、マスキングテープを丁寧に貼ること。これだけで仕上がりが全然違います。古いコーキングをカッターで剥がしてから、新しいものを打ちましょう。
②トイレの便座交換
「便座が割れた」「ウォシュレットが壊れた」――こういうとき、便座だけを自分で交換できるのをご存知ですか?
実は便座の取り付けって、裏側のボルト2本を外すだけなんです。新しい便座をはめてボルトを締めれば完了。普通便座なら工具1本で終わります。
- 必要なもの:新しい便座、モンキーレンチ(温水洗浄便座の場合は分岐金具も)
- 費用:普通便座3,000〜5,000円、温水洗浄便座15,000〜40,000円
- 所要時間:15〜30分
温水洗浄便座(ウォシュレット)の場合は、給水管への分岐接続が必要になります。止水栓を閉めてから作業するのを忘れずに。説明書通りにやれば難しくはありませんよ。
③排水口の掃除・つまり解消
キッチンやお風呂の排水口が流れにくい……これ、よくある相談なんですが、大半は自分で解決できます。
- キッチン:排水トラップを外して、油汚れやヌメリを歯ブラシで掃除
- お風呂:排水口のフタとヘアキャッチャーを外して、髪の毛を除去
- 洗面台:ポップアップ栓を外して、引っかかっている髪の毛やゴミを除去
市販のパイプクリーナーも効果的です。ただし、使うときは換気を忘れずに。塩素系と酸性のものを混ぜると有毒ガスが発生するので、これだけは絶対に気をつけてください。
④ドアの建てつけ調整
ドアが閉まりにくい、開けるたびにキーキー音がする。こういう不具合、地味にストレスですよね。
実はこれ、蝶番(ちょうつがい)のネジを締め直すだけで直ることが多いんです。
- ドアが下がっている場合:上の蝶番のネジが緩んでいることが多い。ドライバーで増し締め
- キーキー音がする場合:蝶番の軸にシリコンスプレーを一吹き
- ドアが枠に当たる場合:蝶番の調整ネジ(あれば)で微調整
必要な工具はプラスドライバー1本だけ。シリコンスプレーも100均やホームセンターで手に入ります。5分もあれば終わる作業ですよ。
⑤壁の小さな穴・キズの補修
画鋲の穴やちょっとしたへこみ、壁紙の剥がれ。賃貸でも持ち家でも気になるポイントですよね。
小さな穴やキズなら、壁の補修材(パテ)で簡単に埋められます。
- 画鋲の穴:チューブタイプの壁穴補修材を穴に注入してヘラで平らにする
- 壁紙の剥がれ:壁紙用の接着剤をつけてローラーで圧着
- ネジ穴:パテで埋めてから、必要に応じて上から壁紙用のタッチアップペイント
ホームセンターに行くと「壁穴補修キット」が500〜1,000円くらいで売っています。複数のサイズに対応しているので、1つ持っておくと便利ですよ。
DIYでやってはいけない作業とは?
ここからが本当に大事な話です。以下の作業は、絶対に自分でやらないでください。
電気工事(コンセント増設・配線変更など)
電気工事士の資格がないと、法律違反になります。しかも、素人の配線ミスは漏電→火災の原因になります。コンセントの交換すら、実は資格が必要なんです。
「YouTubeで見たらできそうだったから」と自分でやってしまう方がいますが、本当に危険です。電気は目に見えないからこそ怖いんですよね。
ガス関連の作業
ガス管の接続、ガスコンロの設置(都市ガスの場合)、給湯器の交換……これらはすべてガスの有資格者が行う作業です。
ガス漏れは爆発事故に直結します。冗談ではなく命に関わるので、必ずガス会社か資格を持った業者に依頼してください。
壁の中の配管・構造に関わる作業
壁を開けて配管をいじる、柱を切る、壁を撤去する……。これらは家の構造に影響する作業です。
特に水道の配管を間違えると、壁の中で水漏れが発生して建物全体が腐食することがあります。現場で何度も見てきましたが、修理費用が数十万〜数百万になるケースもあります。
屋根や高所の作業
屋根に登っての点検や補修は、転落事故のリスクが非常に高いです。毎年、DIYで屋根に登った方が転落する事故が起きています。
プロは安全帯やハーネスを使って作業しています。命綱なしで屋根に登るのは、プロから見ても「あり得ない」行為です。
DIYを始める前に知っておきたい3つのこと
安全にDIYを楽しむために、事前に知っておいてほしいポイントを3つお伝えします。
1. 「元に戻せるか」を基準にする
DIYで失敗しても、元に戻せる作業なら大丈夫です。逆に、壁を壊す・配管を切るなど「後戻りできない作業」は避けましょう。
僕がお客さんに聞かれたときも、「それは元に戻せるからやってみていいですよ」「それは失敗すると取り返しがつかないからプロに任せてください」という基準でアドバイスしています。
2. 作業前に写真を撮っておく
これ、地味だけどめちゃくちゃ大事です。分解する前の状態を写真に残しておけば、「あれ、これどうなってたっけ?」というときに助かります。
特に蛇口の分解やトイレの部品交換のときは、手順ごとに写真を撮っておくと安心です。
3. 道具はケチらない
100均の工具でもできなくはないですが、ちゃんとした工具を使うと作業効率が全然違います。
特にドライバーやモンキーレンチは、安物だとネジをなめたり、力が入らなかったりします。ホームセンターで1,000〜2,000円程度のものを買えば十分長く使えますよ。
まとめ:「自分でできること」と「プロに任せること」を見極めよう
今回紹介したDIYでできるメンテナンス5つをおさらいします。
- コーキングの打ち直し(費用1,000〜2,000円)
- トイレの便座交換(費用3,000〜40,000円)
- 排水口の掃除・つまり解消(費用0〜1,000円)
- ドアの建てつけ調整(費用0〜500円)
- 壁の小さな穴・キズの補修(費用500〜1,000円)
一方で、電気・ガス・構造に関わる作業は絶対にNGです。資格が必要な作業を無資格でやると法律違反になりますし、何より危険です。
判断に迷ったら、「元に戻せるかどうか」を基準に考えてみてください。元に戻せる作業ならチャレンジしてOK、後戻りできない作業ならプロに相談です。
無理せず、できる範囲で楽しむのがDIYのコツです。「これ自分でやっても大丈夫かな?」と不安なときは、遠慮なく業者に相談してくださいね。
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