排水口のつまりを自分で直す方法|キッチン・お風呂・洗面台のケース別対処法
キッチンで洗い物をしていたら、シンクに水がどんどん溜まっていく……そんな経験はありませんか?
排水口のつまりって、本当によくあるトラブルなんです。でも実は、つまりの原因は場所によって全然違います。だから、対処法も場所ごとに変える必要があるんですよね。
キッチンは油汚れ、お風呂は髪の毛、洗面台は石鹸カスと髪の毛……。原因がわかれば、自分で直せるケースがほとんどです。
この記事では、現役の設備工事業者である筆者が、場所別の排水口つまりの原因と、自分でできる対処法をわかりやすく解説します。
【キッチン】排水口がつまる原因と対処法
キッチンの排水口つまり、一番多い原因は「油」です。
「油は流してないよ?」と思うかもしれませんが、お皿についた料理の油、フライパンの残り油、食品カスに含まれる油分……。日々の洗い物で少しずつ油が排水管にこびりついていくんです。
この油汚れが冷えて固まり、食品カスや洗剤のカスと絡み合って、排水管の内側がどんどん狭くなっていくのが典型的なパターンです。
対処法①:排水トラップの掃除
まずは排水トラップ(排水口のすぐ下にある部品)を掃除しましょう。ここにゴミや油汚れが溜まっていることが多いです。
- 排水口のフタとゴミ受けカゴを外す
- 排水トラップのカップ(ワントラップ)を反時計回りに回して外す
- カップの内側とトラップ周辺を歯ブラシでゴシゴシ掃除
- 排水管の入り口に溜まっているゴミも取り除く
- 元に戻して水を流して確認
これだけで流れが改善することが多いです。月に1回やるだけで、つまりの予防にもなりますよ。
対処法②:お湯+食器用洗剤で油を溶かす
トラップを掃除しても流れが悪い場合は、排水管の中に油汚れが固まっている可能性があります。
- 食器用洗剤をたっぷり(大さじ2〜3杯)排水口に流す
- 50〜60度のお湯をゆっくり注ぐ(熱湯はNG!排水管を傷めます)
- 15〜30分放置する
- もう一度お湯を流して確認
熱湯(100度)は絶対に使わないでください。塩ビ管の耐熱温度は60〜70度程度です。熱湯を流すと管が変形したり、接合部が外れたりすることがあります。
対処法③:パイプクリーナーを使う
市販のパイプクリーナー(液体タイプ)も効果的です。
キッチンの油汚れには、水酸化ナトリウム濃度1%以上のものがおすすめです。パッケージに「油汚れに強い」「キッチン用」と書いてあるものを選びましょう。
使うときの注意点は3つ。
- 換気を必ず行う(窓を開ける or 換気扇を回す)
- ゴム手袋を着用する(肌につくと荒れます)
- 酸性の洗剤と絶対に混ぜない(有毒ガスが発生します)
【お風呂】排水口がつまる原因と対処法
お風呂の排水口つまり、原因の9割は「髪の毛」です。
人は1日に50〜100本の髪の毛が自然に抜けると言われています。お風呂では特に抜けやすいので、知らないうちに排水口にどんどん溜まっていくんですよね。
髪の毛に石鹸カスやシャンプーのカスが絡みつき、ヘドロ状のかたまりになって排水管を塞ぎます。
対処法①:ヘアキャッチャーと排水トラップの掃除
お風呂の排水口は、フタ→ヘアキャッチャー→排水トラップという構造になっています。
- 排水口のフタを外す
- ヘアキャッチャーに溜まった髪の毛やゴミを取り除く
- 排水トラップ(封水筒)を回して外す
- トラップの内側と排水口周辺を歯ブラシで掃除
- 手が届く範囲で排水管の中のゴミも取り除く
- 元に戻して水を流して確認
正直、お風呂の排水口掃除は見た目がけっこうキツいです。ヌルヌルのヘドロと髪の毛のかたまり……。でも、これを放置するともっと大変なことになるので、月に1〜2回は掃除するのがおすすめです。
対処法②:パイプクリーナーで髪の毛を溶かす
手で取れない奥のほうの汚れには、パイプクリーナーを使います。
お風呂の場合は、「髪の毛を溶かす」タイプ(水酸化ナトリウム配合のもの)を選んでください。パッケージに「髪の毛ヌメリ」などと書いてあるものです。
規定の量を排水口に注ぎ、15〜30分放置してから水で流すだけ。簡単ですが効果は抜群です。
対処法③:ラバーカップ(スッポン)を使う
掃除してもパイプクリーナーを使っても流れが悪い場合は、ラバーカップ(いわゆるスッポン)の出番です。
- 排水口のフタ・ヘアキャッチャー・トラップを外す
- 排水口が隠れるくらい水を溜める(5cm程度)
- ラバーカップを排水口に密着させる
- ゆっくり押し込んでから、勢いよく引き上げる
- これを5〜10回繰り返す
ポイントは「押す」ときではなく「引く」ときに力を入れることです。引き上げる力でつまりを吸い出すイメージですね。
【洗面台】排水口がつまる原因と対処法
洗面台の排水口つまりは、髪の毛・石鹸カス・歯磨き粉のカスが主な原因です。
洗面台は排水管の口径がキッチンやお風呂より細いため、少しのゴミでもつまりやすいんですよね。
対処法①:ポップアップ栓の掃除
洗面台には、引き棒を押すと上がる「ポップアップ栓」がついていることが多いです。この栓の周りに髪の毛やゴミが絡みついていることがよくあります。
- ポップアップ栓を引き上げて外す(そのまま上に引っ張れば外れるタイプが多い)
- 栓の周りに絡みついた髪の毛やゴミを取り除く
- 排水口の中を歯ブラシやピンセットで掃除
- 栓を戻して水を流して確認
これだけで驚くほど流れが良くなることが多いです。「つまり」だと思っていたのが、単にポップアップ栓にゴミが溜まっていただけというケースは本当に多いですよ。
対処法②:排水管(トラップ)の分解掃除
ポップアップ栓を掃除しても改善しない場合は、洗面台の下にある排水管(S字トラップ or P字トラップ)を分解して掃除します。
- 洗面台の下のキャビネットを開ける
- 排水管の下にバケツや雑巾を置く(水がこぼれます)
- トラップ部分のナットを手で回して外す(工具不要なことが多い)
- 管の中に溜まったゴミやヘドロを洗い流す
- 元に戻してナットをしっかり締める
- 水を流して水漏れがないか確認
分解掃除というとハードルが高く感じるかもしれませんが、洗面台のトラップは手で回せるナットで接続されていることが多いので、意外と簡単です。
ただし、元に戻したあとに水漏れがないか必ず確認してください。ナットの締めが甘いとキャビネットの中が水浸しになります。
どの場所にも共通!やってはいけないNG対処法
排水口のつまりを直そうとして、逆に悪化させてしまうケースもあります。以下のNG行動は避けてください。
- 熱湯を一気に流す:塩ビ管が変形・破損する可能性あり(50〜60度のお湯にしましょう)
- 針金や硬い棒を無理やり突っ込む:排水管を傷つけたり、つまりを奥に押し込んでしまう
- 異なる種類のパイプクリーナーを続けて使う:化学反応で有毒ガスが発生する危険あり
- 重曹+酢を大量に使う:泡は出ますが洗浄力は弱く、つまり解消にはあまり効果なし。期待しすぎないように
特にパイプクリーナーの混合は本当に危険です。塩素系と酸性のものが混ざると有毒な塩素ガスが発生します。使用前に必ずラベルを確認してくださいね。
業者に頼むべきタイミングはいつ?
「自分でやってみたけど直らない……」というときは、無理をせず業者に相談しましょう。以下のケースは業者に依頼した方が確実です。
- パイプクリーナー+ラバーカップでも改善しない:排水管の奥でつまっている可能性
- 複数の排水口が同時に流れにくい:排水の本管がつまっている可能性
- 排水口から悪臭がひどい:排水管内部に汚れが蓄積している
- 逆流してくる:排水管が完全に塞がっている。自分では対処困難
- 築年数が古い(20年以上):排水管自体が劣化している可能性
業者に頼んだ場合の費用の目安はこちらです。
- 軽度のつまり解消:8,000〜15,000円
- 高圧洗浄:20,000〜40,000円
- 排水管の交換:30,000〜80,000円
業者選びの際は、必ず作業前に見積もりを出してもらうこと。「見てみないとわからない」と言って見積もりを出さない業者は避けてください。
つまりを予防する日々のメンテナンス
つまってから慌てるよりも、日頃の予防が一番大切です。場所ごとの予防法をまとめました。
キッチン
- 油をそのまま流さない(ペーパーで拭き取ってからお皿を洗う)
- 食品カスはゴミ受けネットでしっかりキャッチ
- 週に1回、50度のお湯をたっぷり流す(油汚れの固着を防ぐ)
お風呂
- 入浴後にヘアキャッチャーの髪の毛を取り除く(毎日がベスト)
- 月に1回パイプクリーナーを使う
- 排水口のフタやトラップは月に1回掃除する
洗面台
- ヘアキャッチャーを設置して髪の毛を流さない
- 歯磨き後はしっかり水を流す
- 月に1回ポップアップ栓を外して掃除する
どれもちょっとした習慣ですが、これを続けるだけでつまりのリスクは大幅に減ります。
まとめ:つまりの原因を知れば、自分で対処できる
場所別の対処法をおさらいしましょう。
- キッチン:油汚れが原因 → トラップ掃除 → お湯+洗剤 → パイプクリーナー
- お風呂:髪の毛が原因 → ヘアキャッチャー掃除 → パイプクリーナー → ラバーカップ
- 洗面台:髪の毛+石鹸カスが原因 → ポップアップ栓掃除 → トラップ分解掃除
まずは排水口まわりの掃除から試してみてください。これだけで直るケースが本当に多いです。
それでも改善しない場合は、無理に深追いせず、業者に相談するのが賢明です。自分で排水管を壊してしまうと、修理費用がかえって高くつきます。
おうちラボでは、水まわりのトラブル解決法を現役の設備業者がわかりやすく解説しています。困ったことがあれば、ぜひ他の記事も参考にしてみてくださいね。
